パーマカルチャーファームを実践する家 Tiny House 10 (ビクトリア オーストラリア)

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パーマカルチャーファームに建てられたタイニーハウス 。その家族ぐるみの実践生活者を前にパーマカルチャーとはなんぞやと、御託を並べても意味がない。その定義や内容を知りたい人は、検索すれば唱導者が作ったサイトがすぐ出てくるので、ここでは省かせていただく。それより実際の映像を見て行こう。

この家は4mのトレーラーフレームの上に建てられている、その意味で移動可能な家であるタイニーハウスの条件をクリアーしている。この上に、手ほどきを受けながら、すべて自分で、再生材を利用し、手づくり、オフグリッド、完全雨水利用の家を建てた。資金もない中でのこれが必然的スケールであり、選択であった。

しかし、手づくりのいいところは、生活の要件を満たすため、思いついたアイデアを細々と作り込めることだ。狭い敷地に子供と夫婦、おのおののプライベートエリア、寝室を縦に輻輳させて、小さな空きスペースもストレージのために隈なく用いている。奢侈や贅沢、そしてお洒落からは程遠いが、実践者の勲章である生活の匂いや工夫が縦横に感ぜられる、ある意味、地に足がついた、楽しい、美しい家になっていると思う。

日々の生活の中で使い尽くされ年季の入ったウッドストーブ、日本の風呂にインスパイアされた檜風呂みたいなのも出てきて、ワビサビなんて言葉が聞こえてくるのも面白い。トイレは外にあるコンポーストトイレを利用しなければならないなど、現代の便利な消費材は何もないが、有機農法で作られた食卓に並ぶ、大地の力がたっぷり入ったサラダに、日本の戦後の誰もが工夫しつつ、労働しつつ、小さな家で暮らしていた時代の豊かさを思い出した。風邪の世界的流行に不安募らせる、かつてとは比べようもないくらい豊かな現代は、果たして幸せな時代なのだろうか?