コロナの教訓 群盲象を撫でる

群盲象を撫でる、というインド発祥の寓話では、盲人たちは各々触った部位によってそれが何かを判断しようとする。一分野の専門家(ノーベル賞の学者であれ、限られた分野で優秀であるに過ぎないのに、全能感を持ってしまっている人がいる)を先頭に立たせると、彼らはその専門分野の狭い範囲の中でもともと真面目な秀才が多いので完璧性を目指すが、それが現実に応用されると大変な悲劇をもたらすことは馬鹿でも分かる。

本来、多様な専門家と、それを総合し適切な判断を下す能力がある組織とリーダー(政治家)がいないと実像すら見えない。今度の場合、この二つとも欠けている。こんな時、大衆は理性を捨ててその時々の感情やマジックに頼らざる得なくなる。この非合理な大衆感情に寄り添って商売しているマスコミなど害を倍加するだけだ。これは戦争中も起きたし、地震の時も、そして今度のコロナ騒ぎでも起きてることだ。

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葛飾北斎