廃棄された客車を素晴らしいオフグリッドの家に変えた Living Big in Tiny House 13(セントラル・オタゴ、ニュージーランド南島)

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大きな空と遠く山々が連なる、広々とした放牧地のパノラマ風景の中に、ポツンと置かれたダークレッドの古風な2つの車体。マンデーの手に渡るまで、この2つの客車は、長い間、ここに打ち捨てられ、カビと蜘蛛の巣と鳥の死骸だらけで、雨もりのする壊れた、誰も見向きもしないジャンクと化していた。

しかし、マンデーは再生の夢を諦めなかった。元夫とともに、8年もの歳月と情熱を傾け、台車部分も含めて歴史的な往時の美しい姿を少しづつ取り戻して行った。今、ここに見るユニークで素晴らしいタイニーハウス に変わった客車は、彼女の言うように、誇張ではなくまさしく「血と汗と涙」の結晶なのである。

それぞれの客車は、おおよそ12×2.5メートル。メインの車体は、キッチン、ラウンジ、ベッドルーム、バスルームを備えた、機能的で快適なタイニーハウス に変えられた。一方でマンデーは、この客車の元の姿を極力保存しようとしている。骨を折って、元の材料と造作の再生に務めた。往年の乗客がナイフでつけた傷もそのまま歴史の痕跡として残った。装飾的な白い天井、フランス製の瀟洒なストーブ、クラシックな革張りのソファーなど、彼女のセンスが念入りに探し出し選んだものも、古い時代の雰囲気を蘇らせている。

もう一つの客車は、家族や友人のためのゲストルームと、まだ整備は中途だが、マンデーが特別な思いを込めて言う、娯楽のための「ライブラリー」に当てられている。この僻遠の地へは、当然電気や水道の供給は不可能なので、水は雨水、電気は小さなソーラーシステムにより得ている。日暮れてからの素晴らしい星空の実景が最初の方に出てくるが、客車用の広い窓から見える風景の素晴らしさを見れば、便利さの多少の不足なぞ何ほどでもなかろう。