峠の茶屋 ヨネジーの覚書

峠の茶屋でのゆっくり一服どころか、茶漬けを掻き込んで次の目的地に向かう飛脚さながらの人生。90パーセントがカスかもしれないけど(娘に言わせりゃ100%カス)息が続く限り書き続けていきます。

Bohemian Rhapsodyを久しぶりに聴いた

クイーンをはじめて聞いた時には、ずいぶんとゴージャスなバンドが出てきたものだと思い、いっぺんにその音の世界に引き込まれた。空高く宙に舞ったと思うと地下深く沈潜する激しく転調するメロディー、そしてそれをやすやすとカバーする並外れた歌唱力。オペラの魅力をロックに取り入れて、もっとスピーディなものに凝縮したような音のメインストロームは、激しく高揚した時代が再びモノトーンなつまらない世界に戻っていく中、それに抗うかのようにスロット全開のパンチを浴びせかけているように感じた。

たまたまYutubeでクイーンの映画のトレーラーを見ていたら、下の映像に出会った。パッと聞いてなかなかいけると思い、若い時の気分がちょっと蘇った。ちょっと調べたら彼Mark Martelは、クイーンの映画でフレディの録音がないところをカバーしているのだそうだ。フレディーより声の質はマイルドで清楚でその分腺が細い感じを受けるがこれはこれでいいと思った。自分の中ではクイーンの生き残りメンバーとステージにまで立ってしまった、そっくりさん、Adam Lambertの松健的派手派手しい嘘臭さより(彼はフェイクを真面目に演じさせられている)、内省的な感じを受けて好ましいく感じた。

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ピアノを引いている彼のバックパネルには、若くして亡くなった伝説の歌手、'Hallelujah'の絶唱で知られるJeff Buckleyのアルバム表紙が見える。意図的に彼はこのアルバム表紙が見えるアングルを設定しているのだろう。Mark Martelは、Queenの曲を下敷きにしながらも、Jeff Buckleyと同様、表面的類似より自分なりの内面性の表現を目指していることを密かに視聴者に訴えている。そして本物が分かり、尊敬する謙虚さを持っていることを証ししていると思う。

ところで、Jeff Buckleyの'Hallelujah'にはLeonard Cohen のオリジナルより深く心を打たれるが、その理由はYutube映像の下に付いているコメントが的確に表している。

Leonard Cohen's version feels like you lost someone dear to you, but you know you'll make it. Jeff Buckley's version feels like you lost someone dear to you...and there is no reason to go on any longer.

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全体的に人間の側からは救いがないという告白なのだ。しかし、それでも救いたもう方を信じているからHallelujahと叫ぶ!まさしくボードレールだね。

 

 情けないことに、Bohemian Rhapsodyの歌詞については、この年になって始めてその意味を知った。ハイトーンの調子に反して、あまりに絶望的などん底の歌なのでびっくりしたが、詳しくはこのサイトに卓抜な説明があるのでぜひ読んでほしい。

http://www.magictrain.biz/wp/blog/2018/06/04/ボヘミアン・ラプソディー(bohemian-rhapsody)の歌詞とその/