峠の茶屋 ヨネジーの覚書

峠の茶屋でのゆっくり一服どころか、茶漬けを掻き込んで次の目的地に向かう飛脚さながらの人生。90パーセントがカスかもしれないけど(娘に言わせりゃ100%カス)息が続く限り書き続けていきます。

クロネコドライバー

今日娘が一ヶ月間温泉町に出稼ぎ労働に行くための荷物を発送した。たまたま家の前の駐車場にクロネコの大きなトラックが停まっていたので、これ幸いと持ち込んだ。運転手は女性で代車にたくさん荷物を積み込んで脇道の奥の家に運んでいるところだった。戻ってきてから荷物の大きさを図り伝票をPOSデバイスでチエックし、その場で発送料を受け取った。その間、前座席の車中からは呼び出しの電話音が頻繁に鳴っている。こういう仕事を間違いなくするのはなかなか大変だ、というのは現在、爺さん自身がパートで週2日だが寮監の仕事を始めたばかりで、若者を相手に様々な仕事、それこそ掃除から受付、メール書きまでしているから、その難儀さが分かるのだ。しかも、彼女は一人で、大型自動車の運転までしている。

毎日おたおたしているばかりの爺さんからすると驚きだ。それで思わず言ってしまった。「これだけの量の仕事をこなせるなんて、すごい能力ですね」。おそらく彼女は運動神経はもちろん、即時に判断する頭の性能がとってもいいのだ。ふだん言われたことがない褒め言葉に驚いたのだろう。一瞬動きが止まって、激務に張り詰めた男っぽい顔が緩んだように見えた。それは、本来資本主義社会ではありえないはずの、高学歴がよいポジションと安定した収入にリンクするビジネスモデルにどっぷりつかっている者には一生分からないであろう笑顔だった。掛け値なしの労働対価で生きる者がつかの間見せた充足のグリンプス。